妊婦さんや赤ちゃんに大きな影響を及ぼす風疹(風しん)。
定期的に流行すること、子供のころにかかりやすい病気だということから、軽視してしまう方もいるようです。
一体どういう病気なのか、どういった影響があるのかを、まとめてみました。
どういう病気なの?
風疹はウイルス性の病気です。
国立感染症研究所によると、症状は発熱、発疹、リンパ節の腫れなど。
症状が表に出てこないこともあれば、深刻な合併症を引き起こすこともあるため、警戒が必要な病気です。
特に怖いのが「先天性風疹症候群」です。
風疹の抗体を持っていない妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、お腹の赤ちゃんにさまざまな障害が出てしまうことがあります。
どういった影響があるの?
先天性風疹症候群がもたらす障害には、以下のようなものがあります。
先天性心疾患
血液を送り出している心臓に、先天的な異常が見つかることです。
心臓は壁で仕切られて4つの部屋に分かれていますが、この壁に穴が開いているケースが多いようです。
自然にふさがるケースもありますが、治療には手術が必要になります。
先天性白内障
目の水晶体が白く濁ってしまう病気で、視力が極端に低下し、重度の弱視を引き起こします。
治療は早ければ早いほどよく、生後6週までに手術を受けるケースもあります。
気がついたらすぐに眼科に行きましょう。
感音性難聴
蝸牛や神経、脳に異常が出ることで、音が聞こえにくくなってしまいます。
耳からの音を、脳でうまく整理することができないために起こります。
風疹の予防接種がはじまったのは1977年からで、女子のみが接種対象だった時期もあり、抗体を持っていない大人が多い病気です。
気を付けていても風疹は症状が出ないことがあるため、自覚のないまま感染を広めてしまうことがあります。
国立感染症研究所では、男女ともがワクチンを受けて風疹の流行を防ぎ、妊娠前に免疫を獲得することが大切だと説明しています。
風疹がどういった病気で、お腹の赤ちゃんにどういったリスクがあるのかを理解して、家族そろって出産を迎えましょう。