最近ではアレルギーのないお子さんの方が珍しいと言われています。
以前より医学が進歩したことにより、アレルギーの原因がわかるようになったことが理由でしょう。
卵や牛乳、甲殻類など、お子さんに食品アレルギーが出てしまったら?
食品アレルギーとは?
食品アレルギーは好き嫌いではありません。
特定の食品によって、以下のような症状が起こる場合をさします。
・じんましん
・咳
・呼吸困難
・血圧低下
・アナフィキラシーショック
重度のアレルギー症状が出た場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
一部の病院で「アレルギーを食べて治す」経口療法が行われてはいますが、心肺停止、低酸素脳症になった例も報告されており、ご家庭でまねをするのは大変危険です。
おじいちゃん・おばあちゃんが食品アレルギーを知らない・「食べて治す」部分にのみ注目して、子供にアレルギーの原因食品を食べさせ、じんましんや呼吸困難を起こさせたという話も聞きます。
経口療法はアレルギー症状が出ても対処できるように準備を整えて行うものです。
2~4カ月ほど入院して経口療法を行うこともあり、お医者さんへの定期的な相談もせずに、ご家庭でかんたんに行えるものではありません。
必ず病院の診察を受けて行いましょう。
アレルギーのメカニズム
一番身近なアレルギーといえば「花粉症」ではないでしょうか。
スギやヒノキなどの花粉によって、涙や鼻水、くしゃみなどが止まらなくなります。
アレルギーは、本来病原菌などから身体を守る役目を果たしている免疫機能が過剰に反応して起こる症状です。
成長とともに症状がゆるやかになることもありますが(6歳ごろが多いようです)、成人しても治らない場合や、成人してから発症するケースも見られます。
特定原材料って?
アレルギー症状が重くなりやすい食品や、症例数の多い食品のことです。
食品衛生法により、原材料を表示するよう奨励されています。
特定原材料7品目
表示が義務付けられている食品です。
()内のように表示されることもあります。
・卵(玉子、たまご、鶏卵、うずら卵、マヨネーズ、オムレツ、目玉焼、かに玉、オムライス、親子丼など)
・小麦(ムギ、小麦粉、パン、うどん、焼きそばなど)
・えび(海老、エビ、海老フライ、えび天ぷら、サクラエビなど)
・かに(カニ、蟹、上海がに、マツバガニ、カニシューマイなど)
・そば(ソバ、そばがきなど)
・落花生(ピーナッツ、ピーナッツバター、ピーナッツクリームなど)
・乳(牛乳、加工乳、乳飲料など)
特定原材料に準ずるもの20品目
表示を奨励されているだけで、義務付けられているわけではありません。
()内のように表示されることもあります。
・あわび(アワビなど)
・いか(イカ、スルメなど)
・いくら(イクラ、すじこなど)
・オレンジ(オレンジジュースなど)
・カシューナッツ
・キウイフルーツ(キウイなど)
・牛肉(ビーフなど)
・くるみ(クルミなど)
・ごま
・さけ(サーモン、しゃけなど)
・さば(サバなど)
・大豆(ダイズ、豆腐、豆腐ハンバーグなど)
・鶏肉(チキン、焼き鳥など)
・バナナ(バナナジュースなど)
・豚肉(ポーク、豚生姜焼など)
・まつたけ(松茸など)
・もも(桃、ピーチ、ピーチペーストなど)
・やまいも(ヤマイモ、とろろなど)
・りんご(リンゴ、アップル、アップルパイ、りんご飴など)
・ゼラチン(板ゼラチン、粉ゼラチンなど)
食品アレルギーでも食べられる食品は?
たとえばカレーやシチューは、ルーに小麦粉を含みます。
そのため、小麦アレルギーのあるお子さんは食べることができませんでした。
現在、各食品メーカーがアレルギー対応食品を販売しています。
特定原材料7品目については、食品のパッケージに書いてあるので、確かめてみましょう。
マヨネーズであれば、キューピーが卵不使用のマヨネーズ、エッグケアを発売しています。
ソーセージであれば、日本ハムのシャウエッセンが特定原材料7品目を使用していません。
食品アレルギーといっても、小麦粉を米粉、牛乳を豆乳に置き換えるなどしてパンやケーキを楽しむことはできます。
まずはどんな食品なら食べることができるのか、調べてみるといいのではないでしょうか。
あわせて、保育園や幼稚園、おじいちゃん・おばあちゃんなど、子供の食にかかわる人たちに、食品アレルギーを伝えることが大切です。