前回、前々回と、妊娠中の体重管理、妊娠中に控えた方がいい食品について書いてきました。
(関連記事: 【妊娠中の食事①】妊娠中の体重管理
【妊娠中の食事②】妊娠中に控えた方がいい食品)
今回は、妊娠中にぜひ食べたい食品について書きます。
妊娠中に食べたい食品
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということわざがありますが、栄養を摂りすぎるのも考えものです。
普段の食事で摂れるよう、できるだけメニューに気を使いましょう。
葉酸を含むもの
葉酸は赤ちゃんの先天性障害や流産のリスクを減らし、お母さんの貧血を防止するため、産婦人科でもよくすすめられます。
赤ちゃんの細胞分裂が活発な妊娠初期には特に必要となる栄養素なのですが、妊婦さんが必要とする量は一日480μgほどで、吸収しにくいのが残念なところです。
・枝豆
・モロヘイヤ
・アスパラガス
・ブロッコリー
・焼き海苔
・レバー
……などに多く含まれます。
焼き海苔やレバーは手軽に葉酸を摂取することができますが、摂り過ぎに気を付けたい栄養を含む食品でもあります。
葉酸は水溶性ビタミンで熱に弱く、食品だけで補うことは難しいので、サプリメントなどで摂取するのもいいでしょう。
厚生労働省では葉酸の一日あたりの上限摂取量を1,000μgとしています。
摂取しすぎると、吐き気、不眠、むくみなどの症状を引き起こすので、気を付けましょう。
カルシウムを含むもの
骨を作る栄養素として有名なカルシウムは、普段の生活から不足しがちです。
20代~30代の女性のカルシウム平均摂取量は、1日に476mgほどだと言われています。
妊娠中は特に赤ちゃんの骨や歯を作るために必要な栄養素とされ、1日に700mgを摂取するようにすすめられています。
また、授乳中にもカルシウムが栄養として失われていくため、出産後もカルシウムを多く摂るのが大切です。
・しらす
・プロセスチーズ
……などに多く含まれます。
加熱殺菌していないナチュラルチーズは生ものに該当するため、プロセスチーズにしましょう。
また、マグネシウムと一緒に摂取すると、カルシウムが吸収しやすくなるとされます。
マグネシウムは、わかめ、納豆、しらすなどに多く含まれます。
鉄分を含むもの
鉄分が不足すると貧血になります。
お母さんが貧血になると出産時の出血量が多くなったり、母乳が出にくかったり、回復が遅れたりすると言われています。
・かつお
・牛赤身肉
・ひじき
・レバー
・卵黄
・納豆
……などの食品に多く含まれます。
アメリカではお母さんが貧血になると、牛肉を食べるようにお医者さんにすすめられるそうです。
ひじきは無機ヒ素を含むので避けた方がいいともされますが、1回の摂取量がそれほど多くないため、週に1~2回食べるのであれば、問題ないでしょう。
また、2016年に「ひじきが鉄分を多く含むのは、鉄鍋から溶け出した鉄分を吸収しているためだった」というニュースが話題になりました。
ひじきを煮る鍋が鉄鍋からステンレスの鍋になったため、鉄分が70%も減ったと言われています。
最近は、お米と一緒に炊くことで、鉄分を摂れる鉄器もあります。工夫して鉄分を摂りましょう。
カリウムを含むもの
むくみ解消に効果があります。
むくみというと自然現象のように思われがちですが、妊婦健診では毎回むくみを調べられます。
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の症状ともされるためです。
・アボカド
・納豆
・切り干し大根
……などの食品に多く含まれます。
ビタミンCを含むもの
ビタミンCは鉄分の吸収を助け、赤ちゃんの脳や血管などを作る役目があります。
また、身体の免疫力を高める効果があるため、薬を飲みづらい妊婦さんには特に必要な栄養であると言えます。
・キウイ
・ブロッコリー
・芽キャベツ
・ほうれん草
・トマト
……などの食品に多く含まれます。
果物にも多く含まれますが、果糖も同時に摂取してしまいます。
病院から体重管理をするよう言われている場合は、野菜からの摂取がいいでしょう。
ビタミンCは熱で壊れやすい栄養素なので、サラダなどで摂取をするのが向いています。
ビタミンK
血液や骨などに働きかける栄養素です。摂取すると血が止まりやすくなります。
・わかめ
・納豆
・モロヘイヤ
……などの食品に多く含まれます。
加熱しても壊れにくい栄養素なので、摂取がしやすいのが特徴です。
約3回にわたって特集した【妊娠中の食事】、いかがでしたか?
しらすや納豆、おひたしなど、普段の食事より1品多く小鉢を食べるようにするといいでしょう。