ハチミツ以外にも? 赤ちゃんに食べさせてはいけない食品


以前、ハチミツを食べた6ヵ月の乳児が乳児ボツリヌス症で死亡したという悲しいニュースがありました。
1歳未満の乳児にはハチミツを与えないようにと、厚生労働省や消費者庁、東京都などが注意を呼びかけています。
(アメリカの製薬会社などは「2歳未満は注意」としています)

 1.なぜハチミツがいけないの?
 2.大人がハチミツを食べても平気なのはなぜ?
 3.加熱殺菌はできない
 4.ボツリヌス菌は、ハチミツ以外だとどんな食品に含まれる?
  4-1.帰省時のトラブルにも
  4-2.料理やお菓子、ジュースにも
 5.離乳食を作るのは大変……楽な方法は?

なぜハチミツがいけないの?


ハチミツは、花の蜜から作られています。
花の蜜にはボツリヌス菌という食中毒を起こす菌の芽胞(胞子の段階です)が含まれることがあります。
全てのハチミツに含まれるわけではありませんが、全体の約5~10%のハチミツで、ボツリヌス菌の芽胞が見つかるそうです。

ボツリヌス菌はとても強い毒性を持つ菌で、自然界に存在する危険な菌の一つ。
大人でも食中毒を起こし、下痢や嘔吐はもちろん、筋肉が麻痺するような症状が出るという、おそろしい菌です。

大人がハチミツを食べても平気なのはなぜ?

ハチミツに含まれることがあるボツリヌス菌は、まだ芽胞の段階です。
大人がハチミツを食べた場合、本格的に毒素となる前に消化できます。

しかし赤ちゃんの消化器官は未発達です。
結果、腸内で毒素が増殖してしまい、乳児ボツリヌス症を引き起こしてしまいます。
症状としては、便秘・麻痺・全身の筋力が低下する脱力状態、最悪の場合は死に至ることもあります。
ですから、一歳未満の乳児にハチミツを食べさせてはいけないのです。

加熱殺菌はできない

芽胞の段階のボツリヌス菌はとても熱に強く、100℃で6時間以上加熱しても殺菌できる保証がありません。
加熱したから大丈夫ということはありません。

ボツリヌス菌は、ハチミツ以外だとどんな食品に含まれる?

ボツリヌス菌自体は自然界(土や海、湖、川)に多く存在する菌です。
ハチミツ以外にも、コーンシロップや黒蜜、黒砂糖に含まれることがあるため、離乳食には使わないようにしましょう。
おやつやジュースなどの市販品を食べさせるときは、商品の後ろにある成分表を見るなどして選びましょう。

味を甘くすればたくさん食べてくれるかも……と思うかもしれませんが、赤ちゃんは舌が敏感ですから、薄味でちょうどいいのです。
濃い味は、赤ちゃんの内蔵に負担をかけてしまいます。

帰省時のトラブルにも

赤ちゃんと身近に接することがない大人は、意外と「ハチミツを赤ちゃんに食べさせてはいけない」と知らないことも。
長期休暇では、普段赤ちゃんのお世話をしていない人と接する機会も増えます。
おじいちゃん・おばあちゃんは育児をする上での心強い味方ではありますが、帰省時のトラブルを避けるためにも、知識を共有しておくことが大切です。
赤ちゃんの健康のためにも「何を食べさせてはいけないのか?」は共有しておきましょう。

料理やお菓子、ジュースにも

ハチミツ・コーンシロップ・黒砂糖・黒蜜は、料理やお菓子、ジュースにも使われることがあります。
たとえば煮込み料理の味つけ、甘いお菓子、ジュース、ハチミツに漬けた梅干し……おせち料理に使われていることもあります。
加熱したからOK、市販品だからOKということはありません。
加工されるとわかりづらいため、さらに注意が必要です。
赤ちゃんに食べさせるものは手作りのものがいいと言われるのは、こういった理由もあるのかもしれません。

離乳食を作るのは大変……楽な方法は?

そうはいっても、離乳食を作るのは手間がかかりますよね。
昼も夜も数時間おきに授乳して、トイレにもゆっくり行けない……そんな状態で離乳食を手作りするのは大変です。

お味噌汁を作るときに、ニンジンやジャガイモ、カボチャなどの具を少し小さめ(5mmほど)に切って煮ましょう。
味噌を入れる前に小さく切った具を取り出して、スプーンの背などでつぶすと手軽に離乳食ができます。
後期離乳食のお子さんには、つぶさずに食べさせてもOK。

野菜によっては、電子レンジでチンするだけでかんたんな離乳食になります。
電子レンジでおかゆを作れるグッズもありますし、水でふくらむ粉末状のマッシュポテトなども使うと便利です。
せっかくの長期休みですから、普段料理をしない人にもチャレンジしてもらうといいですね。
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